授乳中の薬は赤ちゃんに影響あるの?飲める薬と飲めない薬【産婦人科医監修】
著者:ままのて編集部
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授乳中のママは、産後の疲労や寝不足もあり、体調を崩しがちです。赤ちゃんのお世話をしっかりするためにも早く治したいと思う一方で、薬を飲むと母乳に影響して、赤ちゃんに悪い影響があるのではないかと不安になるものですよね。ここでは、授乳中の薬の影響と、授乳中に飲める薬と飲めない薬について産婦人科医監修で解説します。
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授乳中の薬は心配がつきもの
授乳をしていると普段以上に体力を使うものですし、忙しく赤ちゃんのお世話をしているとなかなか自分の身体を休める時間をつくれないものです。そのため、授乳中は風邪をひいたり、頭痛や腰痛に悩まされたりと、体調を崩しやすいですよね。しかし、ママは体調が悪いからといって赤ちゃんのお世話をやめるわけにいきません。体調が悪くなると、薬を飲んで早く治したいと思うママも多いのではないでしょうか。
授乳中は、ママが口にしたものが赤ちゃんに影響があるのではないかと、食事に気を付ける方も多いでしょう。日本では昔から、授乳中に薬を飲むことをタブー視する傾向があり、授乳中に薬を飲むことに不安を感じるママも多いかもしれません。授乳中の薬は、赤ちゃんに影響はあるのでしょうか。母乳に薬の成分が移行することはある?
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母乳はママの血液をもとにしておっぱいの乳腺で作られており、ママの身体の中に入った薬の成分は、血液を通して乳腺に届きます。ほとんどの薬は母乳に移行すると言えますが、母乳が作られるときには、薬の成分が薄くなることがわかっています。母乳に移行する薬の成分量はとても少ないことが多く、赤ちゃんには影響がないことがほとんどです。
一部の薬では、母乳が作られるときにママの血液の中よりも薬の成分が濃くなります。そのような薬でも、赤ちゃんが母乳を飲んで、赤ちゃんの身体に影響をおよぼすものは非常に少ないのです。
ほとんどの薬の説明書には「授乳を中止」と書かれているため、これまで医師も薬を飲むために授乳をやめるよう指導してきました。しかし、この説明には科学的な裏付けがされておらず、今の時代にそぐわない点が指摘されているのです。アメリカ国立衛生研究所(NIH)やWHO、米国小児科学会のリストでは,授乳中に飲んでいけないとされる薬は 全体の3%、注意すべきまたは影響の懸念のある薬は 23%で、その他の 74% の薬に関しては授乳中に飲んでも問題ないとされています。授乳中でも薬を我慢する必要はない
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日本では、赤ちゃんへの薬の影響を心配しすぎて、体調を崩しても薬を飲むことを我慢するママが多いという実情があります。しかし、ママが薬を飲まないことで病気が長引いてしまったり、体調不良によって赤ちゃんのお世話をできなくなったりするリスクもあります。授乳中に体調が悪くなったからといって、薬を飲むことを我慢する必要はないでしょう。
授乳中の体調不良によって薬を飲まなければならなくなると、「薬を飲む間は授乳をやめるように」と指示を受ける場合もあります。薬の説明書には「授乳を中止」と書かれているものが多く、薬を飲む間は母乳をやめるように指導する医師や薬剤師も多いのです。薬の服用ですぐに授乳をあきらめないで
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母乳には、感染症の予防、免疫や神経発達を促す効果、ママと赤ちゃんの信頼関係を促す効果など、多くの効果があります。一度赤ちゃんに母乳をあげることをやめてしまうと、ホルモンの変化により母乳が出なくなる恐れがあります。筆者の知人にも、膀胱炎の治療のために薬を飲むことになり、医師から授乳をやめるよう指示を受け、泣く泣く授乳をやめた結果、そのまま母乳が出なくなってしまった人がいます。
授乳中のママが薬を飲まなければいけなくなった場合、母乳育児を続けたいと思っていても「授乳を続けたい」と意思表示をすることは勇気のいるものです。産婦人科や小児科では、授乳中でも影響の少ない薬をママに処方してくれる場合が多いので、体調が悪いときには相談してみてはいかがでしょうか。授乳中に薬を飲むタイミングは?
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ママが薬を飲むと、薬の成分が徐々に血液や母乳に移行していきます。一般的に母乳中の薬の量は、薬を飲んでから3~4時間後にピークになることが多いようです。正確には内服後に血中濃度がピークに達して母乳が作られるまでの時間によって決まるので、お薬によって違ってきます。授乳中に薬を飲むことになった場合、授乳直前か直後に薬を飲むと赤ちゃんへの薬の影響を最小限にできることが多いです。添付文書にある薬の血中濃度のピークから予想できるので、相談してみてください。
薬の影響が心配な場合は搾乳を
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多くの薬は授乳中に飲んでも問題ないといわれていますが、医師や薬剤師から授乳をやめるよう指示を受けた場合、やはり心配になりますよね。処方された薬が授乳中に飲める薬なのか飲めない薬なのか、ママだけでは判断できない場合も多いでしょう。
薬の影響が心配で授乳をお休みする場合、薬を飲んでいる間は定期的に搾乳をするようにしましょう。搾乳をすることで、ママの身体がおっぱいを作り続けることができるようになります。できれば3~4時間おきに、1日5~6回の搾乳をすることで、薬を飲み終わった後にスムーズに母乳育児に戻ることができますよ。下記は外部サイトのためスタンプの獲得はできません。
搾乳の方法は?メリット・デメリットと母乳の保存方法まとめ授乳中に飲める薬と飲めない薬
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国立研究開発法人である国立成育医療研究センターの中の「妊娠と薬情報センター」では、2005年より厚生労働省の事業として「妊婦・胎児に対する服薬の影響」に関する相談・情報収集を行っています。
授乳中に安全に使用できるとされている薬
妊娠と薬情報センターで作成された表によると、下記の薬が授乳中でも安全に使用できるとされています。(括弧内は成分名)
・解熱・鎮痛薬:カロナール(アセトアミノフェン)
ブルフェン(イブプロフェン)
・抗菌剤:ジスロマック(アジスロマイシン)
クラリス(クラリスロマイシン)
ペニシリンG(ベンジルペニシリン)
・抗ウイルス薬:タミフル(オセルタミビル)
・消化器官用薬:ガスター(ファモチジン)
・吸入ステロイド:パルミコート(ブデソニド)一般的には、市販薬は安全に使用できると考えられていますが、風邪薬の中には強い眠気を引き起こすものがあったり、薬によっては乳児に使用されない成分が含まれていたりすることもあります。いろいろな成分が入っている市販薬よりも、医療機関で症状に合った単剤(ひとつの薬効成分のみによって作られた薬)を処方してもらうことが望ましいでしょう。
市販薬でもおなじみのロキソニンは、出産後の後陣痛の鎮静剤として処方されることもある薬です。一般的にロキソニンは母乳への移行はとても少なく、赤ちゃんへの影響はほとんどないといわれていますが、メーカーの説明書には授乳中は飲まないように注意書きがあります。頭痛や生理痛がひどいときには、ロキソニンを服用しても問題ないか医師に相談するようにしてください。下記は外部サイトのためスタンプの獲得はできません。
授乳中にロキソニンは飲んでもいい?赤ちゃんへの影響は?その他にも、多くの薬が授乳中に安全に使用できるとされています。病院で処方された薬が授乳中に飲むことができる薬なのか気になる場合は、専門サイトでチェックすると良いでしょう。
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